不法侵入や窃盗などの犯罪が増えているなか、防犯カメラは家や店舗の安全に欠かせない存在となっています。
防犯カメラはさまざまなメーカーから発売されており、設置場所や目的、周辺環境など種類は豊富です。
そのため、どのような防犯カメラを選べば良いか分からない人も多くいるのではないでしょうか。
そこで今回は、防犯カメラの接続方法・デザインの選び方と、各機能の選び方を詳しく解説します。
●目次●
防犯カメラは、設置場所や使用する目的、周囲の環境など、使用用途合わせて商品が造られています。
しかし、使用用途に適していない商品を選んでしまうと、折角防犯カメラを設置しても機能を十分に発揮できません。
また、どのような効果を得たいかによっても、防犯カメラを選ぶ基準は異なります。
〇屋内におすすめの防犯カメラ
屋内に設置する防犯カメラには、広い範囲が写り込む、死角を作りにくい商品がおすすめです。
広範囲を撮影できる「広角レンズ」を採用した商品や、対象物の動きを検知してカメラを向け撮影し続ける「胴体検知機能」を搭載した商品を選びましょう。
〇屋外におすすめの防犯カメラ
屋外に設置する防犯カメラは、防水や太陽熱などの天候による自然環境に耐えられる商品がおすすめです。
屋外に設置する場合、常に雨風に晒されることとなるため、IEC(国際電気標準会議)が表示する国際規格である「IP規格」に対応している商品を選びましょう。
IP値は、数値が増えるごとに防塵・防水機能がアップします。
防犯カメラには、有線と無線の2種類の接続方法があります。
有線の防犯カメラは、無線よりも安定して録画することが可能です。
一方で、無線の防犯カメラは無線LANなどを通じて録画することができるため、ケーブル配線をしなくても録画することができます。
ここでは、防犯カメラの接続方法の選び方を紹介します。
有線・無線の防犯カメラのメリット・デメリットを事前に把握し、使用用途に合った接続方法を選びましょう。
有線の防犯カメラは電波状態の影響を受けないため、鮮明な映像を撮影することができます。
高画質の撮影ができるため、車のナンバーや不審者の顔を鮮明に記録することが可能です。
ただし、コードのスペース確保や配線を通す作業が必要なため、防犯カメラを取り付ける際に施工費用が発生する場合があります。
また、有線の防犯カメラは、コードに繋いで録画するため、設置場所や配線との距離が制限されます。
そのため、あらかじめ設置場所や配線との距離を確認してから商品を選びましょう。
無線の防犯カメラは有線とは異なり、防犯カメラとレコーダーをコードで接続する必要がないため、好きな場所へ簡単に設置することができます。
しかし、電波の状態が良くない場合、映像に乱れや鮮明に撮影できないといったデメリットがあります。
そのため、設置する場所に電波の影響を与える機器がないか、事前にチェックしておくことが重要です。
防犯カメラのデザイン(形状)には、ボックス型とドーム型の2種類があります。
ボックス型とドーム型は、見た目だけではなくそれぞれ発揮する効果が異なるため、接続方法と同様に使用する目的に合わせて商品を選ぶことが大切です。
ボックス型は防犯カメラとして広く知られている一般的なデザインで、見た目ですぐに防犯カメラと判断がつくため、存在感で犯罪を抑止することができます。
一方で、カメラの向きでどの方向を撮影しているか判断されやすいため、カメラのモニターに映らない死角をついて侵入される恐れがあります。
ドーム型に比べて監視範囲が狭いため、家や店舗の出入口を監視するなど、防犯対策を目的とする場合におすすめです。
ドーム型の最大の特徴は、ボックス型と比べて「目立ちにくい」という点です。
店内やオフィスの雰囲気を壊さずに設置できることができるほか、広角レンズを採用している商品が多いため、広範囲を撮影することができます。
ただし、ドーム型の防犯カメラは、ボックス型特有の監視されているという威圧感がないため、犯罪の抑制力の効果を発揮しにくいといったデメリットがあります。
そのため、店内やオフィスなどの景観を損なわずに設置したい場合におすすめです。
近年では、さまざまな便利な機能を持ったモデルがリリースされています。
そのため、防犯カメラを購入する際は、各機能に応じて設置用途に合った商品を選ぶことが大切です。
防犯カメラの各機能を理解し、自分にはどのような機能が必要であるのかを把握したうえで、防犯カメラを選びましょう。
画素数とは、撮影された映像の鮮明さを意味します。
近年、技術の向上で100~1200万画素の高画質の防犯カメラがリリースされています。
顔や車のナンバーなど、鮮明な映像を記録したい場合は、100万画素以上ある防犯カメラを購入しましょう。
また、AHDシステムを採用している防犯カメラは、アナログ配線でもハイビジョン画質の撮影ができるため、細部まで鮮明に描写することが可能です。
弊社はAHD200万画素を推奨しています(価格帯・お手軽さで)。
警視庁の都内における性犯罪(強制性交等・強制わいせつ・痴漢)の時間別発生状況(平成29年中)によると、強制性交等は午前0時から午前7時までに50%程度発生しています。
また、強制わいせつの犯罪発生率が最も高い時間帯は、午後11時から午前2時の間となっています。
(出典:こんな時間、場所がねらわれる 警視庁URL
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/smph/kurashi/higai/koramu2/koramu8.html
折角防犯カメラを設置しても、夜間撮影機能が搭載されていないと防犯効果が薄れてしまいます。
そのため、防犯カメラを購入する際は、夜間の防犯対策のために夜間撮影機能が搭載されている商品を選ぶことがおすすめです。
夜間撮影機能が搭載されている防犯カメラには、赤外線を察知して撮影できる「赤外線検知録画」と、少ない光を増幅する「高感度録画」の2つのタイプがあります。
赤外線検知録画と高感度録画は、周辺に明かりがついてなくても撮影することが可能です。
バリフォーカルレンズとは、焦点距離を調節できるレンズのことです。
設置したい場所の環境に合わせてカメラレンズを設定することで、撮影する範囲を決めることができるため、最適な画角での撮影が可能です。
焦点が合わない防犯カメラの場合、顔や車のナンバーなどの情報が分からないといった防犯カメラの意味が薄れる事態が起こることもあります。
画角調節が必要な場所に防犯カメラを設置する場合は、バリフォーカルレンズを搭載したモデルを選ぶと良いでしょう。
小さな子どもや介護が必要なお年寄りがいる場合は、室内の様子を確認できる音声自動通話機能が搭載された防犯カメラを選ぶことがおすすめです。
音声通話機能が搭載された防犯カメラにはマイクが内蔵されているため、室内の人間やペットとコミュニケーションをとることができます。
また、室内の様子を確認できるだけでなく、遠隔操作で建物に侵入した不審者に対して「撮影している」と警告することもできるため、防犯防止に効果的です。
動体検知機能は前述した通り、人やペット、ものなど動くものにだけ反応し、自動録画する機能のことです。
人などの動きに合わせてカメラの方向を変えることができるため、建物に侵入した犯罪者の痕跡を追跡し、早期に犯人を特定することができます。
また近年では、害獣対策や農作物の監視用として、動体検知機能付の防犯カメラを設置するケースが増えています。
動体検知機能が搭載された防犯カメラを設置することで、どのような経路で侵入しているか分かるため、フェンスの設置場所など適切な対策を立てることが可能です。
さらに、防犯カメラは基本的に24時間電源が入っているため、録画データのサイズが大きくなりがちです。
しかし、胴体検知機能が搭載された防犯カメラは、動いている人やペット、ものだけに反応するため、録画データのサイズを削減することもできます。
スマホ連動機能が搭載された防犯カメラは、外出先からでもカメラのスイッチを入れることが可能です。
また、スマホなどで外出先でも室内や庭などの様子をリアルタイムで確認することができます。
なかには、動体検知機能や音声通話機能が作動したタイミングで、スマホにお知らせする機能が付いた防犯カメラもあります。
外出することが多い場合は、遠隔でリアルタイムの映像を確認できるスマホ連動機能が搭載された防犯カメラを選ぶこと良いでしょう。
ただし、多くのスマホ連動機能は、自宅のWi-Fiを経由して使用することとなるため、自宅にWi-Fiの環境がない場合は注意しましょう。
防犯カメラは、不審者・留守中の空き巣対策だけでなく、室内の様子も確認することができます。しかし、使用用途に合った防犯カメラを設置してしまうと、防犯カメラとしての効果を発揮することはできません。
近年は家庭用の防犯カメラを購入する人も増えており、留守中の防犯対策や家族の安全を見守るのに大変便利であるため、家庭用の防犯カメラが人気を集めています。
防犯カメラを購入する際は、使用用途を明確にしたうえで、設置したい場所や接続方法、環境や使用目的に合ったデザインの商品を選びましょう。