「防犯カメラに自分の家が写っている!」
「プライベートがまるわかりだ!」
家庭用の防犯カメラをめぐってこんな近隣トラブルが発生する場合があります。
ひどいものだと、裁判に発展してしまうことも
防犯カメラの違法性についてご説明します。
■公益性
ここで争点になるのは「公益性」です。
公益性とは、広く求められているわけではないが、必要としている人もいるので自身の利益のためではなく、他人のために提供することができる性質を持つもののことです。
つまり、設置している防犯カメラが犯罪の抑止力に値するかどうかがです。
これに値しない使用方法がなされている場合には、違法性を問われる場合があるかもしれません。
◇公益性とプライバシーの侵害・肖像権の侵害
「自分の敷地以外の公道や近隣の家々が写っている」
通常、秘密にしておくべきことについては、プライバシーの侵害といえます。
この点でいうと、公道上での行動は隠すことではありません。
ですので、すぐに違法となるわけではありませんが、もしその映像を公開したりするとプライバシーの侵害になります。
設置側の目的は防犯目的で、盗撮する目的ではなく個人的な利益を追求するものではありません。
■受忍限度
受忍限度とは一般人が社会通念上、我慢できる被害の限度のことです。
これも防犯カメラの場合は十分に理解できる程度で問題はないと考えられます。
防犯カメラの特性上、自分の敷地内に取り付ける分には、余程のことがない限り、撤去の対象にはなりません。
◇「余程のこと」ってどんなことでしょう?
例を挙げますと、「他人の家だけが写っている」というような場合は違法性が出てくるかしれません。
相手の家だけが写っているとなれば、おそらくカメラはほぼ水平に近い角度で設置されていることになります。公益性から考えても防犯目的ではなく、監視目的に値することになりかねません。
このような場合は受忍限度も一般的にみて、周りからの理解が得られないでしょう。
実際に同じようなケースでプライバシーの侵害にあたるという判例が出ています。
いかがでしたか?
実際のところ、防犯カメラに関して明確な法律は存在しません。常識的な範囲かどうかで判断されます。
防犯カメラに関して近隣トラブルを防ぐ一番の対策は、事前に近隣の方々への周知をしておくことです。
そして普段から少しでも近隣の方々とコミュニケーションをとることです。日頃から近隣の方々とコミュニメーションを密にすること自体が犯罪を防ぐことにつながります。協力して安全なまちづくりができるといいですね!